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便秘の原因や治療法を専門医がわかりやすく解説

公開日:2020年5月14日

更新日:2020年5月22日

毎日便が出ないことを「便秘」だと思っている方は多いです!

ただ、便秘は

「排便のときに、不快なことがあること」

を言います。

毎日出ててもお腹がはったり、便が出しにくかったりなど不快なことが少しでもあれば便秘になります。

ただ、便秘は不快なだけではないです。

・命にかかわる大腸がん

・腸を手術でとらないといけなくなる腸炎

などの可能性もあります。

これらだった場合、かなりの苦痛をはじめ生活の質がかなり悪くなります。

便秘は危険を訴える体のサインかもしれません。

病気によっては早期発見、早期治療がかなり大切です。

注意喚起のためにこの記事を作りました。

私の名前は左雨元樹(さっさもとき)です。

胃腸や肛門の専門医・指導医です。

埼玉県の越谷(こしがや)市にある新越谷肛門クリニックの院長でもあります。

これまで便秘に悩む方3,000人の治療をしてきました。

ここのページでは

・便秘の原因

・便秘が良くなる方法

・便秘の治療法

などを詳しく説明してます。

この記事を読むだけで便秘の悩みがすべて解決しますよ!

便秘とは

便秘治療のガイドラインの中で便秘は、「便を十分かつ快適に出せない状態」と定義されています。

そのため、

・便の出る数が少なくて、おなかが張る

・排便は毎日あるが、便が出しにくい

・毎日スムーズに便を出せるが、便が残っている感じがする

これらは全て便秘と言えます。

一方で、

・便は3日に1回くらいだけど、出しにくい感じはない

・毎日出ないけど出したあとはすっきりする

これは必ずしも便秘とは言えません。

毎日便が出なくても快適であれば便秘ではないです。

つまり、排便になんらかの不満があればそれは全て便秘になります。

日本人では男性の2.5%、女性の4.6%が便秘と言われています。(2016年国民生活基礎調査)

20~60歳では女性が圧倒的に多いです。

それ以降は男女とも年齢とともに増えていきます。

80歳以上では男女差がなくなります。

またここ数年の傾向として、男性で増えています。

便秘にともなう症状

先に述べたように、排便において何らかの不快感があれば便秘と言えます。

具体的には、下のような症状があります。

1.お腹がいたい

2.腹がはる

3.強くいきまないと便がでない

4.便を出すのに時間がかかる

5.便が残っている感じがある

6.食欲がない

7.食べるのが怖い

8.吐き気がする

9.排便について悩みがある

10.便の事ばかり考えてしまう

11.排便が不十分で気分がすぐれない

これらはみんな便秘の症状ですし、もっといろいろあるでしょう。

症状は身体的なものばかりではありません。

精神的な不安や焦りもまた便秘の症状と言えます。

便秘のタイプ

便秘が単に、

「便の出る数が少ない状態」

でないことはご理解いただけたと思います。

ただ、それゆえ便秘の原因やタイプはたくさんあります。

症状や原因によって下のように分けれます。

症状による分類

①便の回数が少ないタイプ(排便回数減少型)

②便を出しにくいタイプ(排便困難型)

原因による分類

①便の通り道がおかしいタイプ(器質性)

②腸や肛門の動きなど、機能がおかしくなってるタイプ(機能性)

さらにこれらの分類を組み合わせて、下のように分けることができます。

原因による分類 症状による分類 病名
器質性 排便の数が減るタイプ 大腸がん・クローン病など
排便するのが難しいタイプ 直腸がん・直腸脱・直腸重責など
機能性 排便の数が減るタイプ 薬剤性、神経・筋疾患、内分泌疾患、膠原病、精神疾患 など
排便するのが難しいタイプ 硬便による排便困難、排便協調運動障害
努責力(踏ん張る力)の低下、直腸感覚の低下 など

便秘の原因

便秘の原因が、食べるものなど生活習慣が大きく影響してることは有名です。

ただ、生活習慣だけではなく病気が原因してることも多いです。

先の表のような病気たちです。

以下に、便秘を引き起こす原因となる病気をあげていきます。

大腸がん

※↑オリンパス社より引用

写真のようにがんが進んで大きくなると、腸がふさがる腸閉塞(ちょうへいそく)になります。

腸がせまくなったり、閉じたりすれば当然便は出にくくなります。

クローン病

※↑オリンパス社より引用

口から肛門まで全ての消化管に原因がわからない炎症を起こす病気です。

写真は炎症がすすんで腸がはれてる状態です。

腸がはれると消化管がせまくなり、便がとおりにくくなります。

直腸瘤(ちょくちょうりゅう)

直腸の壁がまえに飛び出る病気です。

便をだそうといきんでも、飛び出た部分に便がたまります。

そのため、うまく便を出せなくなります。

直腸脱(ちょくちょうだつ)

肛門から直腸が飛び出てしまう病気です。

骨盤を支える筋肉や肛門をしめる筋肉がゆるむことで起こります。

飛び出たところが便が通るのを邪魔します。

直腸重積(ちょくちょうじゅうせき)

直腸が内側に折り込まれます。

折り込まれた部分で腸はせまくなり、便は出にくくなります。

薬剤性

抗コリン薬や抗精神病薬、麻薬など

神経・筋疾患

脊髄損傷やパーキンソン病、筋強直性ジストロフィーなど

内分泌疾患

甲状腺機能低下症や糖尿病など

膠原病

皮膚筋炎、強皮症など

精神疾患

うつ病、摂食障害など

排便協調運動障害

排便時にゆるむはずの筋肉がゆるまなくて起こります。

専門的な検査や治療が必要になります。

直腸感覚の低下

直腸の感覚が低くなると、便意を感じなくなります。

便秘と大腸がん

これら便秘にかかわる病気のなかで1番まずいのは大腸がんです。

・便秘が続くため辛くなる

・病院に行き大腸カメラを行ったところ癌が見つかった

ということがよくあります。

もし本当に、癌によって便秘になっているとすれば、それはすでに早期癌ではありません。

これは先ほど述べた

「器質性」

「排便回数減少型」

の便秘にあたります。

便のとおりが悪くなるほど、癌が大きいことを意味します。

早期の癌であれば、大腸カメラで治療することができます。

ただ、ある程度進んでいると手術がいります。

転移があれば手術だけでは治すことができません。

高い治療費や家族の協力がいります。

仕事もできなくなり、ひどい苦痛があります。

生活の質がかなり悪くなります。

そのため、たかが便秘とあなどらず病院を受診してください。

また、見つかる病気は癌だけではないです。

先にあげたように、いろいろな病気が隠れている可能性があります。

状況によっては、大腸カメラなどの検査を受けた方がいいでしょう。

便秘の受診目安

便秘したとき、病院やクリニックに行くべき目安は

・週に3回以上便が出ない

・排便するとき4回につき1回以上で、便の出しにくさや残便感を感じる

このようなときに受診したほうがいいと決められています。

これは、「便秘症」の診断基準にもとづいてます。

便秘症とは便秘による症状がでてきて、検査や治療がいることをいいます。

しかし、これはあくまで目安です。

排便に関して困ったことや悩みがあれば、病院を受診すべきと言っていいでしょう。

便秘の検査方法

便秘の原因や程度を調べる目的で、いろいろな診察・検査を行います。

問診

検査ではありませんが、もっとも重要です。

・便の数や状態

・出しにくさや残便感

・便をだすときの時間

・便秘で悩んでいる期間

・下剤や浣腸の使用状況

などを確認させていただきます。

診察

診察は

・触診

・聴診

・直聴診

を行わせていただきます。

お腹の張りや痛みをみる触診をします。

また、聴診で腸の動きを確認します。

直腸診では、

・直腸内に病気がない

・出血はないか

・便が残っていないか

・残っていれば便の性状はどうか

・肛門のしまり具合や上手にしめられるか

などを評価します。

レントゲン

腸内のガスや便の状態をみるために行います。

大腸内視鏡検査

大腸内視鏡検査はカメラで腸の中を見る検査です。

カメラで腸の中を直接見れるため、原因がつきとめやすいメリットがあります。

排便造影検査

肛門から擬似便と呼ばれる造影剤と小麦粉を混ぜたものを入れます。

そして、擬似便がでてくる様子をX線で撮影します。

これによって、

・肛門と直腸の角度

・便をだすための骨盤や肛門の筋肉が動いてるか

・便を出しにくくする病気(直腸瘤や直腸重積など)

の有無などを調べることができます。

大腸通過時間検査

SITZMARKS®というレントゲンに写りやすい薬剤であるマーカーを飲みます。

マーカーの腸内での動きをモニターする検査です。

便が大腸を通過するのにかかる時間を評価します。

肛門内圧検査

肛門に圧を感知するセンサーをいれます。

肛門に力を入れない時や肛門を目いっぱいしめた時のしまりの強さ(内圧)を調べます。

また、しめたいタイミングで上手にしめることができているか、直腸肛門反射(直腸が拡がった際に括約筋が緩む反射)は正しいかなどを知ることができます。

新越谷肛門胃腸クリニック(キヨシ会)での便秘改善治療

私が院長をつとめるクリニックでは、まず問診を行い便秘のタイプを予測します。

・炎症や癌が疑われるケース

・40歳以上で検査を受けたことがない

このような場合は直腸診や大腸カメラを行います。

直腸診は、肛門や直腸のなかを見ることができる肛門鏡(こうもんきょう)を使って診察を行うことです。

下の写真が肛門鏡です。

写真では伝わりにくいですが細く先が丸いので痛みはないです。

潤滑のためにゼリーもぬります。

安心して診察をうけてください。

直腸診を行うのは、

・直腸がん

・切れ痔・イボ痔など肛門の病気

・直腸溜

これらを見逃さないためです。

診察は、患者さんが恥ずかしくないようにプライバシーに配慮しています。

診察の手順は以下のとおりです.

①カーテンの中でズボンや下着をおしりが見えるくらいまで下ろしていただき、診察台に横になっていただきます。

②おしりにシートをかけさせていただきます。これで診察の準備が完了です。

恥ずかしくて検査をうけれないかたはいままで1人もいません。

③視診察(見て観察)をします。

④指診察(指で観察)をします。

⑤肛門鏡(直腸肛門の観察ができる特殊な器械)で診察をします。

⑥診察が終わりましたら,カーテンの中でゆっくりお着替えをしていただけます。

以上のながれで診察をさせていただきます。

女性の場合には、診察の間すぐそばに女性スタッフがいます。

安心して診察を受けていただけます.

便秘に効果的な大腸内視鏡検査

便秘の程度によって大腸内視鏡検査をおすすめさせていただきます。

便秘の原因をつきとめやすい検査だからです。

ただ、

・痛い

・怖い

・恥ずかしい

と思う方が多いです。

しかし、当院では患者さんが快適に検査をうけれるたくさんの工夫をしています。

・腸をふくらまして、カメラが腸にあたり痛みがでるのを防ぐ「炭酸ガスシステム」

・細くてやわらかく、よく見える最新の内視鏡システム

・肛門のところにだけ小さい穴があいてる検査着

・患者さんも見れるモニター

このような工夫をしています。

また、検査前には鎮静剤など適切な麻酔をさせていただきます。

当クリニックで大腸カメラをする医師は私をはじめ、5,000~20,000件の経験があるベテランたちばかりです。

患者さんに痛みが出たり、苦しんだりしないテクニックを持っています。

お尻を触ったりみたりするのはカメラを入れる数秒だけです。

大腸内視鏡検査のときも、女性の方のときには女性スタッフも近くにいます。

これらの工夫によって、

「いつのまにか終わった!」

「全然痛くないし恥ずかしくなかった!」

「このような感じであれば、早く受けとけばよかった!」

と嬉しい言葉をたくさんいただきます。

安心して検査をうけてください。

これら、直腸診断や大腸カメラで便秘の原因となる病気があれば、まずその治療を行います。

例えば癌や直腸脱、直腸瘤などがあれば手術を行います。

また、明らかに肛門の働きが悪ければ、

・大腸通過時間検査

・排便造影検査

などができる専門施設に紹介いたします。

そういった異常がなかったときは、

①生活指導

②食事指導

③薬物治療

の3つが治療の柱になります。

①生活指導

a. 規則正しい生活

月並みですがとても重要です。

特に大切なのは睡眠と食事です。

中でも朝食は腸を活発に動かしてくれて自然に便をしたくなるようになります。

必ず食べるようにしてください。

b. 適度な運動

体を動かすことで、腸の動きが良くなります。

c. 適切な排便習慣

「便意を感じたら我慢しない」ことが大切です。

肛門の近くに便が下りてくると便意を感じます。

ただ、便意を我慢することを繰り返すとこの感覚が鈍くなります。

すると便意を感じなくなってしまいます。

「長時間いきまない」ことも大切です。

排便時間の理想は3分程度です。

便が出なければすぐにトイレから出ましょう。

長くいきむと肛門や直腸をささえる骨盤にある筋肉の力が低くなります。

また、直腸や粘膜が肛門からでてくる原因になります。

痔にもなりやすいです。

「強くいきまない」のも重要です。

便を出し切ろうと無理に力をかけ続けるのはやめてください。

便意が起きたタイミングでお腹に力をいれて排泄します。

「正しい排便の姿勢」を意識してください。

スムーズな排便が行うために理想的な姿勢があります。

いわゆる「考える人」のポーズです。前かがみなるとお腹に力が入りやすくなります。

また、このポーズは肛門と腸の角度を良くします。

足の下に台を入れるのも効果的です。

このように、便をだすときは前かがみの姿勢が理想です。

d. 薬を見直す

便秘をおこす薬はたくさんあります。

診察のときにうかがい、必要ないものは止めさせていただきます。

また、代えがきくものであれば変えさせていただきます。

②食事指導

a. 水分の摂取

水は便をやわらかくするのに効果的です。たくさんとることをおすすめします。

b. 食物繊維…1日18-20gとるのが目標です。

食物繊維は大きく分けて2種類あります。

・不溶性食物繊維:便のボリュームを増してくれます

・水溶性食物繊維:便を軟らかくしてくれます

どちらも便秘に効果的です。

また、食物繊維には腸内環境を整える効果もあります。

これら食物繊維が多く入ってる食べ物は下にようにまとめれます。

タイプ 食物繊維の名前 多く含まれる食べ物
不溶性 セルロース・ヘミセルロース 大豆・ごぼう・小麦ふすま・穀類
リグニン 小麦ふすま・穀類・完熟野菜類・豆類・ココア
イヌリン ごぼう
キチン 甲殻類の殻・キノコ類
水溶性 ペクチン 熟した果物
グアーガム 大豆・麦類
マンナン こんにゃく
アルギン酸 海藻類

便秘のタイプによって効果がある食物繊維が異なります。

うまく使いわけることも大事です。

当クリニックではその指導もさせていただきます。

c. プロバイオティクス

プロバイオティクスの定義は「体の状態を良くする生きた細菌」です。

言い換えると、生きて腸にとどく善玉菌(乳酸菌やビフィズス菌)のことです。

整腸剤やヨーグルトなどがこれに相当します。

近年、腸内フローラと呼ばれる腸内細菌のバランスが体に大きな影響をあたえることが明らかになっています。

便秘もそのひとつです。

腸内フローラに偏りがあると便秘を起こしやすいです。

そのため、善玉菌を補うことで便秘がよくなる可能性が高いです。

また、善玉菌にとってより良い環境を整えることも大切です。

先に述べた食物繊維に加えて

・オリゴ糖

・抵抗性デンプン

などは、プレバイオティクスと呼ばれています。

善玉菌のエサになったり、悪玉菌が増えたりするのをおさえてくれます。

新越谷肛門胃腸クリニックでは、腸内フローラの検査を行っております(保険適応外)。

興味のある方は気軽にご相談ください。

③薬物治療

詳しくは次に述べますが、薬を使うのは便秘治療の中心になります。

皆さんは下剤に対してどのようなイメージを持っているでしょうか。

・お腹が痛くなる

・一度使うとやめられなくなる

・使っているうちに効かなくなってくる

といったネガティブなイメージが多いと思います。

確かにそういう薬も存在します。

ただ、そういう薬もうまく使えば逆に効果的です。

便秘に対して作られた薬はかなりたくさんあります。

そのため、当クリニックでは経験豊富な専門医が対応し、

・副作用が少ない

・くせになりにくい

・お腹が痛くならない

これらの薬を中心に治療を組み立てていきます。

また、下剤以外の薬や、座薬・浣腸を組み合わせることも時に効果的です。

これらの治療を行っても良くならないときは、専門的な検査や治療が可能な施設へ紹介させていただきます。

便秘で使う薬について

ここ数年で、便秘に使える薬がかなり増えました。

主なものは以下のとおりです。

下剤の種類 下剤の名前 商品名
塩類系の浸透圧性下剤 酸化マグネシウム マグラックス
糖系の浸透圧性下剤 ラクツロース モニラック
PEG系の浸透圧性下剤 マグロゴール4000 モビコール
上皮機能変容薬 ルビプロストン アミティーザ
リナクロチド リンゼス
胆汁酸トランスポーター阻害薬 エロビキシバット グーフィス
DSS合剤 DSS+カサンスラノール ビーマス、ベンコール
刺激性下剤 センノシド プルゼニド
センナ アローゼン
ピコスルファートナトリウム ラキソベロン
膨張性下剤 カルメロースナトリウム バルコーゼ
過敏性腸症候群治療薬 ポリカルボフィルカルシウム コロネル、ポリフル
座薬 炭酸水素Na・無水リン酸二水素Na 新レシカルボン坐剤
ビザコジル テレミンソフト坐剤
浣腸 グリセリン グリセリン浣腸液

1. 浸透圧性下剤

成分は、ほとんど吸収されない塩類や糖類です。

腸に水分を引き込むことによって、便を軟らかくします。

くせになりにくく、他の下剤とも組み合わせやすいです。

そのため、薬を使った治療の中心的存在です。

2. 上皮機能変容薬

小腸の表面に働き、出す水分の量を増やして排便を促します。

3. 胆汁酸トランスポーター阻害薬

胆汁酸は胆のうと呼ばれる内臓から出る物質です。

胆汁酸は、腸の動きを良くします。

大腸に入ってきた胆汁酸の吸収を抑えることで、胆汁酸を増やします。

その結果、大腸の胆汁酸の量が多くなり便秘が良くなります。

4. DSS合剤

DSSとカサンスラノールと呼ばれる物質が2つ入った下剤です。

DSSは便に水を吸収させやわらかくします。

カサンスラノールは腸を刺激して動きを良くします。

5. 刺激性下剤

腸を刺激して腸の動きを活発にします。

それにより排便を促します。

効果が強く、切れ味いいです。

ただ、その分お腹が痛くなりやすかったり、効きすぎて下痢になったりといったデメリットもあります。

習慣性があり、長い期間続けるのをおすすめできません。

6. 膨張性下剤

薬自体が、水分を吸収してふくらみ大腸を刺激します。

7. 過敏性腸症候群治療薬

便の水分バランスを正しく保ち、便がでやすいようにします。

8. 座薬

炭酸ガスを発生させて腸を刺激する新レシカルボン、直腸を直接刺激するテレミンソフトがあります。

9. 浣腸

直腸を刺激して排便を促します。

即効性がありますが、血圧が低くなることがあり注意が必要です。

その他、漢方薬や消化管運動調律薬、消化管運動亢進薬なども有効なことがあります。

述べてきたこれらの下剤は大きく分けて

「刺激性」

「非刺激性」

「その他」

に分けられます。

先に述べたよう、非刺激性のものをベースに使いつつ、他の薬で足りない部分を補っていきます。

刺激性の薬も常用しなければ、必要以上に避ける必要はありません。

上手に使えばいい薬です。

薬によって得意不得意がありますので、便秘のタイプに応じて2、3個組み合わせることも多いです。

便秘治療で感謝されたことなど患者さんの声

ケース1. ただの便秘だと思って放置していたらがんが見つかった

先に述べたように、何らかの病気が原因で便秘になっていることがよくあります。

もともと排便はスムーズだったのに、3年ほど前から便を出しにくくなったAさん。

最近では3日に1回くらいしか便がでなくなり、血もでるようになりました。

すぐに大腸カメラを行ったところ、直腸に進行癌が見つかりました。

幸い転移はなく、手術で取りきれました。

ただ、癌の場所が悪く、人工肛門になってしまいました。

命を落とさなかったのはとても素晴らしいことです。。

ただ、早期治療、早期発見できてれば人工肛門にはなりませんでした。

このようなことが起きるのを減らすため、この記事を作りました!

たかが便秘とあなどらないようにしましょう。

ケース2. 便秘の改善でQOLアップ

長い間便秘だと、その状態に慣れてしまいます。

大腸がん検診で要精査になって受診されたBさん。

20年来の便秘で、排便は1週間に1度だけでした。

幸い大腸カメラでは異常がなく、「機能性」「排便回数減少型」の便秘と診断されました。

生活指導と食事の改善、薬物治療を行い、排便はコンスタントに2日に1回となりました。

実はBさん、便秘で困っているわけではありませんでした。

しかし、便秘が解消したところ、「こんなにおなかが軽くなるとは思わなかった!」と大変驚かれました。

「すっかり慣れてしまっていて何も感じなかったけど、今までが異常だったことがよく分かった」というのです。

大変喜んでいただいたケースでした。

ケース3. 便秘がよくなったら切れ痔が治った

2年前に他院で切れ痔を診断されたCさん。

出血する度に市販薬を使っていましたが、まったく良くならず来院されました。

以前から便が固く、強くいきまないと便が出せないとのこと。

出た後も常に残便感がありました。

切れ痔の治療を行いつつ、「機能性」「排便困難型」の便秘治療をしました。

便は毎日コンスタントに、しかも軟らかい便がスムーズに出せるようになりました。

そして切れ痔は2週間できれいに治ってしまいました。

切れ痔は、便秘が原因になっていることが多いです。

また、切れ痔が便秘の症状を強くして負のループに陥ることがよくあります。

この場合、両方を治療しなければなりません。

最後のまとめ たかが便秘とあなどらず、早めにクリニックに行きましょう

排便は毎日のことです。

そこで不快なことがあると肉体面でも精神面でも悪影響です。

不快感ならまだしも、命にかかわる大腸がんなど危険な場合もあります。

早期発見、早期治療が大切です。

また、多くの便秘は治療によって良くなります。

たかが便秘と軽くみないで、排便にお悩みがあれば気軽にご相談ください。

※電話番号:048-960-2233

※住所:〒343-0808
埼玉県越谷市赤山本町8-5山六ビル2F

※最寄り駅:東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン) 越谷駅 徒歩1分